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終活全般Q&A

終活全般Q&A(よくある質問と回答)

終活全般についてのよくある質問に、終活のスペシャリストがお答えします。

遺言書の作り方を教えてください。

遺言書の作成方法には、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3つが民法で定められています。いずれの遺言も民法が定めた方式で作らないと無効となりますので注意が必要です。
一番数の多い「自筆証書遺言」は、遺言をする者が、その文章、日付、氏名を全て自分で書き(財産目録を除きPC等での作成不可)、これに押印する必要があります。
最近件数が増えてきている「公正証書遺言」は、公証役場で作成するものです。必ず平日の日中に証人2人と一緒に公証役場に出向く必要があります。費用がかかりますが、公証人に相談しながら内容を決めることができ、形式不備等によって遺言書が無効となることも防げます。専門家に依頼すれば公証人とのやり取りも代行してくれます。

遺言書を作ると、何がいいのでしょうか。

なんといっても、遺言する方の意志を尊重するため、遺産争いのトラブルを未然に防げます。また、財産の配分を具体的に指示できるため、法定相続人でない人に財産を残すことや、法定相続分と違う配分もできます。そして、相続手続がスムーズになります。専門家を遺言執行者(遺言の内容を実現させるために活動する人)に指定しておけば、相続人の負担がありません。

作った遺言書をどうやって保管すればいいですか。

紛失したり、誰にも気付かれないと作成した意味がなく、また逆にすぐに発見されて改ざんや処分されてしまう可能性もあり、自宅で保管するのも考えものです。作成に専門家のサポートを受けた場合は、その専門家に保管をお願いするのも一手です。なお、貸金庫に入れてしまうと、貸金庫を開けるのに時間がかかってしまうため、お勧めできません。

遺言書を書き替えることはできますか。

形式を問わず、遺言書を新たに作成すれば、新しい遺言書の方が有効となり、前の遺言のうち新しい遺言と抵触する部分については撤回されたものとみなされます。

遺言書に記載されていた財産のうち、一部について生前に処分されていました。このような場合に遺言の効力にどのような影響が出ますか。

遺言を作成した後に遺言と異なる生前処分が行われた場合、その生前処分によって、遺言に記載された内容と抵触する部分については、遺言を撤回したものとみなされます。その他の遺言内容には影響を及ぼしません。

夫婦で1つの遺言書を作りたいのですが、可能ですか。

遺言書は、必ず1人が1つの書面で作成しなければならないため、たとえ夫婦であっても、2人以上の人が同一の書面で遺言をすることはできません。

遺言内容を決めるにあたって考えることは何でしょうか。

まずご自身の財産を把握されたうえで、それらの財産を誰に、どのように相続してほしいのか考えるとともに、実際に相続が発生された場合の相続税の試算も検討するのがよいと思います。
相続税の申告にあたっては、誰が相続するかによって税金の額が変わってくるものもありますので、専門家に相談の上遺言内容を決めていくことをお勧めします。

子供が3人いますが、私の死後に争うのも嫌なので、遺言書を遺そうと考えています。長い間同居している長男には一緒に住んでいる家など最も多く残したく、近所に住んでいて時々世話をしてくれる長女にはそれなりに、逆に何年も顔を見せない次男には、ほとんどなくてもよいと考えています。遺言どおりに遺産をわけることはできるでしょうか。

民法で定められた遺産の分割割合を「法定相続分」といい、遺言で示した故人の遺志を「指定相続分」といいます。指定相続分は、法定相続分より優先されますが、全て遺言どおりになる訳ではありません。配偶者、子、親には、「遺留分」という最低限の権利が認められており、「指定相続分」が遺留分以下の割合以下だった場合、その相続人は遺留分の割合に達するまで他の相続人に金銭を請求することができます。
ですので、差をつけるとしても「遺留分」を侵害しない範囲にしたり、亡くなる前に財産を少しずつ贈与していくなど、生前に対策をとっておいた方がいいと思われます。
生前に対策をする方法はいろいろありますので、専門家の協力を得て行なうことをお勧めします。

年間110万円までは贈与税がかからないので毎年100万円を子供に贈与したいと考えていますが、注意点はありますか。

「定期贈与」とみなされてしまうと贈与税がかかります。
通常の贈与については、毎年1月から12月までの贈与額が110万円を超えた部分について贈与税がかかります。そのため110万円までであれば贈与税はかかりません。
しかしこれが「定期贈与」とみなされると贈与税がかかります。
例えば、毎年100万円を贈与するとしても、もともと1000万円贈与するつもりで100万円ずつ分割して支払っているとみなされると1000万円を一度に贈与したと同じ扱いになり、贈与税がかかります。そのため、毎年贈与契約書を作成する、毎年金額を変える、贈与の時期をずらすなどして「定期贈与」ではないことを明確にしておく必要があります。

子供の将来に備えて、子供名義の口座に毎年数十万円入金していますが、注意点はないですか。

子供名義の口座に入金していても、通帳や印鑑を実際に子供が管理しておらず、親がいつでも引き出せる状態にしていると名義貸し口座とみなされ、贈与と認められない場合があります。

子供や孫の生活費や教育費を支払っていますが、贈与税はかかりますか。

扶養義務のある子や孫の生活費や教育費にあてるために贈与があった場合には、通常必要と認められる範囲のものは贈与税は課税されません。
ただし、必要と認められる範囲内で贈与されたものに限りますので、預貯金として入金したり、高価な物品の購入に充てたりするとその分については贈与税がかかります。

成年後見制度ってなんですか?

成年後見制度は、認知症などで判断能力が低下してしまっている人のためにサポートする人を家庭裁判所に選任してもらう制度です。これにより自分では難しい不動産や預貯金等の財産の管理や契約の締結などを行うことができるようになります。

成年後見制度にはどのようなものがあるのですか?

成年後見制度は大きく分けて法定後見と任意後見に分けられます。法定後見は家庭裁判所が本人をサポートしてくれる成年後見人を選任し、任意後見は予め信頼できる人を成年後見人に選任しておく制度です。

成年後見人はどのようなことをするのですか?

成年後見人は本人の財産を管理したり、契約の締結などの法律行為を本人に代わって行います。日用品の買い物や実際の介護にかかる作業は成年後見人の仕事の範囲には入りません。なお、成年後見人はその仕事を家庭裁判所に報告し監督を受けます。

任意後見契約について詳しく教えてください。

判断能力が不十分な状態になったときに、その方の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務の全部又は一部について代理権を付与する契約です。
不測の事態に備えて、信頼のおける親族又は専門家との間で事前に公証人が作成する、公正証書により契約をしておきます。後見人が必要となった場合に相続人間で争いが生じることもあり、遺言書作成とセットで行なうことも多いです。

私は1人暮らしで、このままだと将来が不安です。私の財産は近くに住んでいてよく面倒を見てくれる長男に今のうちから任せられたら安心なのですが、何か方法がありますか。

自分に判断能力があるうちに、認知症などで判断能力が低下した時に備えて、あらかじめ財産の管理を支援してくれる人を契約により決めておくことができる方法が2つあります。
(1)任意後見契約
(2)民事信託(家族信託とも言います)
任意後見契約は、公証人が作成する公正証書により結ぶ必要があります。実際に後見人として活動できるのは、あくまでも判断能力がなくなってからになります。
民事信託は、家族の中から財産を管理したり運用したりする人を決めておいて、信託契約を結ぶことによりその財産の名義をその人に移して任せる方法です。

民事信託について詳しく教えてください。

民事信託とは、財産管理手法の1つとして、財産を保有している人(委託者といいます)が契約によって、信頼できる相手(受託者といいます)に対して、不動産、預貯金、株式等の名義を移転し、契約で定める一定の目的に従って、特定の人(受益者といいます)のためにその財産(信託財産といいます)を管理・運用・処分することをいいます。
具体的には、自分の財産を、「誰に」「どのような目的で」「いつ」渡すことを、あらかじめ判断能力がある状態のうちに、その財産を管理できる権利を信頼できる相手と契約し、相手に財産の名義を移し、将来にわたってその契約を確実に実行させていく内容です。
法律上の手続きや税務上問題がないかの確認など、高度な知識が必要になりますので、専門家に依頼の上進めていくことをお勧めします。

孫の大学の学費を出してあげたいのですが、認知症が心配です。 認知症になっても確実に支払う方法はありますか?

認知症になってから支払う方法は次の2つになります。

(1)教育資金贈与信託
(2)民事信託

(1)は1500万円まで贈与できますが、一括で支払うことや支払先に制限があることと、毎年領収書を契約した金融機関窓口に提出し、30歳までに使い切らなければ贈与税がかかります。
(2)は「Q.民事信託について詳しく教えてください」のとおり、信託契約を家族の中から選んだ人と結んで、その人に学費分の金額を移して支払いを任せます。

お答えいただいた先生

藤井和彦 先生

新宿西口総合事務所
藤井和彦 先生

藤井先生のプロフィール